みつりんふぁんくらぶ

観たものについてのメモ。解体的です

やがて君になる

最初に言わせて欲しいんだけど私ボンジュール鈴木大好きなんですよね。
だからボンジュール鈴木みがすごいサイコーサイコーサイコーなOPをまず評価したい。あれはあれで完成されてるけど欲を言えばセルフカバーをしていただきたい。

原作はスマホアプリで追ってはいるもののあまり良い印象はない。悪い印象もないんだけど話のテンポが遅すぎていままで何が起きてたか忘れるし、ジャンル的にどうしようもないんだけど淡々としている。

だからアニメはすごい見やすかったし、1クールで綺麗にまとまってて視聴後も爽やかな気分でいられた。
故人と同化したい(しなきゃいけない)けどそんな自分を愛せない七海先輩と、人を好きになる感覚がわからない侑の百合ですが、このテーマというかキャラ設定、凄く映えるな…と思った。
漫画を読んでる時にこのテーマ見て、それ百合でやる必要ある?ってメチャクチャ思ってたんだけどこのご時世そんな思考こそがナンセンスなんだよな…とアニメ見ながら反省してた。現実社会でそれをされたら何も思わないのに作品になるとひっかかるのは、意図的に全ての事象を作り上げるアニメ漫画映画諸々の創作物のいらんところまで意味づけを強要してしまうからとやが君観て感じました。ありがとうやが君。

作品としては最後まで走れたし、全然駄作だとは思わんのよ。でもいまいち心を入れてみることが出来なかったのは現実の美味しいところもしょうもないことも知ってるからなんじゃないかと思う。それは同性愛云々というよりは、思春期のあれこれ。
姉を亡くした辛さは計り知れないけれど、それを抜いたら「嫌いな自分を好きな相手を好きになれない」橙子も「誰のことも好きになれない」侑もそんなに珍しいことじゃないし、今はどうであれそんな感情を中高時代に持つことなんて全然あたりまえじゃないか?
登場人物の心象を簡略化、矮小化すなやと言われたらそれまでなんだけど、どうも私そこでテーマ自体を大切に捉えることができず冷めた目で見てしまった。それはねぇそういうもんなんじゃわみたいな。

橙子と侑の交流が絵的にも演出的にも凄く綺麗に丁寧に描かれてて良かったけど、それよりやっぱり佐伯先輩の葛藤の方に目がいってしまった。
佐伯先輩苦手なんだけど。佐伯先輩っていうか佐伯先輩みたいな弱そうだけど強く見せる女性が。でも苦手と嫌いは違うし嫌いが好きかで言ったら好き。
私の中では橙子と侑の悩みってリアルすぎて逆に非現実的で、佐伯先輩の苦悩の方が余程感情移入できたわ。頑張れ…とかあぁ…とか思うもん彼女みてたら。

侑が強すぎて、しっかり侑の内面と対峙できなかったのも没入できなかった理由かもしれない。でもネットの評価結構よかったぽいよな。二期あるんかな。二期あったらまたボンジュール鈴木でお願いします。ボンジュール鈴木じゃないんだけど。