みつりんふぁんくらぶ

観たものについてのメモ。解体的です

STEINS;GATE

一週間ちょいで観た。
2クールあるしそもそもSFっていうジャンルが得意じゃないし走れる自信なかったんだけど余裕だった。

憎い奴が全くいなくて、かつみんなキャッチー。なのに主人公は埋もれずそのキャッチーの上を行きながら主人公らしい舞台装置的役割も果たしてほんとに頑張ってた…
奥村は宮野ウザいっていってたけどウザさと真摯さの両面を兼ね備えなきゃならないオカリンは宮野で良かったんじゃないかなあ、演技が普通にうまい。

宮野のわざとらしい声優的演技もすごいと思うんだけど個人的には俳優的な声の出し方を声優の声でやるのがメチャクチャヤバイと思うんだよな〜Freeの凛の平静な時の声とか。フラットな声なのに俳優が声当てた時みたいな白々しさが抜けてて凄すぎる。

しょっぱなのオタクの馴れ合いみたいな世界観説明パートさえ抜ければあとは走り抜けるだけって感じの作品。かといってそのキツイパートがマジで無駄切り捨てろやとはならない。
なんでかっていうとその描写を大事にしたから憎い奴がいないっていうとこに繋がるからだな。
いい意味でゲーム原作を意識させる構成で、キャラ一人一人を掘り下げていく感じが味になってた。
味になってたけどまあ中弛み感は少しあった。

いや〜中弛み感はあったけどそれを耐えてでも最後まで走るべき作品ではあると思う、ニトロプラスがハッピーエンド作ったらこんなことになっちゃうのか…

バッドエンドってその前までの幸せな過程があってこそ絶望が増すわけで、逆も然りだなと思う。あれ程の絶望を超えた幸せっていうのはたまらんな…。

細々した伏線の回収が楽しい人なら何週でもできるんだろうなって作品だけど、そういうの拾わなくてもわかりやすいところにわかりやすいものが転がりまくってるからどの層にも対応してていいね。ライト層でも二次元感もありノベル感もありって感じで見やすいと思う。

あとはさっきも書いたけどとにかく岡部倫太郎っていう主人公の主人公性だよな。
SFっていう目立ちにくいジャンルの中で冷静な思考を持ちつつ自分のキャラを立たせて情もあり、どんだけ挫折しても基本立ち上がってまた走るっていう少年漫画的熱さも兼ね備えてるのヤバイでしょ。
人間的にもキャラクター的にも完璧じゃん。
完璧な主人公の作品ってつまんなくなるか主人公周りに人気取られるかって感じになりがちだけどオカリンに至っては圧倒的MVPでしょ。大拍手。幸せになってくれ…

OPもよかった、最終話だけ二番で、その歌詞がちょうど最終話のために書かれましたみたいな内容でめちゃくちゃ熱かった。脳で観るタイプのアニメかと思ってたのにこんな手に汗握って主人公応援するとは思わんかったゾ…

厨二病臭いタイトルも最初と最後のつながり、鳳凰院凶真から岡部倫太郎になって、最後に鳳凰院凶真へ回帰したってところまで見ての各タイトルなら全て許すぞ。

ちょっとやすんでそのうち映画も観る。ゼロへの繋ぎに作られた話もちょっと見てみたいけどまだ出なさそうだなー