みつりんふぁんくらぶ

観たものについてのメモ。解体的です

ソロモンの偽証/後半・裁判

2時間26分/2015/成島出

すっげー映画だった〜〜。書くタイミング逃してっていうのもあるけど余韻もあって観てすぐ感想書けなかったや。

ていうか校内裁判をメインテーマに置いた作品ってわかってても一本丸ごと裁判に使って持つの?って思ってたけど余裕だったな後半。最初からクライマックスって感じだった。めっちゃ集中して観れた。

柏木くんの孤独感、行き過ぎた思春期、共感してしまうよな。確かに過激だけどそういう思想は14歳みんな持ってるよね。でもそれをどの程度自覚してるかで悩ましさは人それぞれ違うし、思想を自覚してその意識を深くまで持って行ったら思想を死に近づけても仕方がないと思う。
でもどれほど厭世的な思想を持っていても自分のことを理解してほしいとか、受容してほしいとか、そばにいて欲しいとか思うのかそういう他者への期待は捨てきれないよなあ。諦めるには柏木くんは幼過ぎたんだよね。
神原くんのそれでも僕は生きていくって言葉がとても良かった。ほんで神原くん自体はマジでなんもしてないしな…人殺しの子供ってだけで…。父親の自殺と自分が裁かれることを関連付けたってところにグッときた。自分で自分を裁くみたいなところ。成る程、と思った。

柏木くんと神原くんが結構両極端に描かれてて、お互いがお互いを引き立てるみたいな構図だよね。
神原くんは裁判を起こしたってところと父親が人殺しって以外は正義、真っ当って感じで、だからさらに黒幕だと映えるよね。でもなんとなくわかるよね神原くんが出たときから既にうわ、こいつやらかしたやろって感でてたくない?絶対こいつだわみたいな。
柏木くんは得体の知れない怖い奴で、世間から見たら正論言ってるけど実際近くにいたら厄介だなと思われても仕方ないよなって人。でも柏木くんの中身まで追究する人はいなかったし(かろうじて神原くん)実際苦悩してたわけで、神原くんに持ちかけたゲームでも柏木くんの予想と神原くんでまた対立してしまったし自分のこと誰もわかんないわこれ、みたいな絶望から最期まで逃げらんなかったんかな。

藤野さんも良かった。一応主人公の位置にはいるし、真相を暴くために働くけど真のメインは神原くんと柏木くんについてだったからそこを邪魔することもせず主人公らしくするとこはして、引くとこは引くみたいなのが凄いいいなと思いました。

ジュリちゃんと大出くんは真っ当に生きなさい。
普通に今観た映画の中で一番勧めたい映画だった〜面白かった!